【学会発表】日本実務教育学会 第6回全国大会でキャリアツーリズム®の教育効果を発表しました
キャリアツーリズムは大学のキャリア教育をどう変えるか|日本実務教育学会 第6回全国大会 発表レポート
2026年6月27日(土)、日本実務教育学会 第6回全国大会にて、茨城キリスト教大学の澤井萌先生、弊社代表取締役社長の高崎澄香、取締役の長嶺将也が口頭発表を行いました。
発表タイトルは「キャリアツーリズム・プログラムによる大学生のキャリア教育の可能性 —茨城県内の大学における実践から—」。弊社が提唱するキャリアツーリズム®を大学のキャリア教育に導入した実証プログラムについて、その教育的効果と学習構造を学術的な視点から報告しました。

項目
内容
学会
日本実務教員学会 第6回全国大会
発表日
2026年6月27日
場所
発表形式
口頭発表
発表テーマ
キャリアツーリズム・プログラムによる大学生のキャリア教育の可能性 —茨城県内の大学における実践から—
本発表は、澤井先生が大学の講義でキャリアツーリズムを新たな観光概念として紹介し、弊社が登壇したことをきっかけに始まった、産学連携による実証研究の成果です。
発表背景:企業訪問・インターンシップの「その先」へ
大学のキャリア教育では企業訪問やインターンシップが広く実施されていますが、その多くは企業理解に偏りがちで、学生自身の自己理解やキャリア認識の深化との接続は十分に検討されてきませんでした。
そこで本研究では、キャリア支援・体験学習・観光体験設計を統合したキャリアツーリズム・プログラムを大学生向けに設計・実施し、次の3つの問いを検証しました。
・プログラムは学生のキャリア認識にどのような変化をもたらすか
・その変化はどのような学習プロセスによって生じるか
・従来の企業訪問と何が異なる教育モデルなのか

実施したプログラム
2025年11月21日、就職活動を控えた3年生を対象に、株式会社廣澤精機製作所(筑波工場・玉戸工場)およびザ・ヒロサワ・シティを訪問する日帰りプログラムを実施しました。

プログラムは「事前対話 → 企業見学 → 振り返り」の三段階で構成。移動中の車内からキャリアコンサルタントが対話を重ね、グランドルールの共有によって心理的安全性を確保したうえで、工場見学での気づきをグループワークで言語化し、一人ひとりのキャリアへの助言につなげました。
主な成果:企業理解と自己理解の双方が向上
プログラム前後のアンケート(8項目・5件法)では、企業理解(変化量+11)と業界理解(+8)が最も大きく向上し、事前には「知らない」と回答していた項目が事後には「理解している」段階へと質的に転換しました。あわせて近隣地域での就職への関心(+5)や自己の価値観理解(+5)も顕著に上昇しています。
参加した学生からは、次のような声が寄せられました。
「参加目的であった就活の軸は概ね定まったように感じています。自分の合っている業界や今まで自分がわからなかった業界についても知ることができました。」(学生A)
「1日かけて思いっきり自分が何を考えているかに向き合うことができました。新しい学びや視点を手に入れることもでき、考え抜いた達成感もあります。」(学生B)
「製造業という今まで見てこなかった業界を目の当たりにして、自分の知らないところでたくさんの人が活躍していて世界とも繋がりがあることを学びました。」(学生C)

従来の企業訪問との違い
発表では、キャリアツーリズム・プログラムを従来の企業訪問と比較し、その違いを次のように整理しました。
観点
従来の企業訪問
キャリアツーリズム・プログラム
目的
企業見学・説明中心
企業理解・職業理解・自己理解
支援者
企業担当者(人事)
企業担当者+キャリアコンサルタント
学習成果
企業理解・職業理解
企業・職業理解+自己認識の変化
キャリアコンサルタントが伴走し、対話と省察(振り返り)を組み込むことで、企業見学という「経験」が意味づけられた学習へと転換される——これがキャリアツーリズム・プログラムの最大の特徴です。
キャリアツーリズム®とは
キャリアツーリズム®とは、地域の歴史・文化・産業・人との出会いを通じて新たな視点を獲得し、既存の価値観や行動様式に変化をもたらすことで、キャリア(生き方)の可能性を拡張することを目的とした体験型学習プログラムです(株式会社せんのみなと, 2025)。「非日常・移動」「対話」「包括的変革」の3要素を軸に、個人・組織・地域の可能性を広げます。
詳しくはキャリアツーリズム®について、キャリアツーリズム®はじめてのガイドをご覧ください。
今後の展望
本研究は対象者3名の初期的な実証であり、今後は対象者の拡大と継続的な追跡調査を通じて、教育効果を多面的に検証していきます。キャリアツーリズムを大学における新たなキャリア教育の実践モデルとして確立すべく、大学・地域・企業の皆さまとの連携をさらに深めてまいります。
キャリア教育プログラムの共同開発、学生向け越境体験プログラムの導入をご検討中の大学・教育機関・自治体・企業の皆さま、ぜひお気軽にご相談ください。
よくあるご質問
Q. キャリアツーリズムは大学のキャリア教育に活用できますか?
A. 可能です。2025年度には茨城県内の大学と連携し、就職活動を控えた学生向けの実証プログラムを実施。企業理解・業界理解・自己理解の向上が確認され、その成果を日本実務教育学会第6回全国大会(2026年6月)で発表しました。
Q. 従来の企業見学やインターンシップと何が違いますか?
A. キャリアコンサルタントが事前対話から振り返りまで伴走し、見学体験を自己理解につなげる点が異なります。企業理解にとどまらず、学生自身の価値観の言語化やキャリア選択の視野拡大を目的として設計されています。
Q. プログラムの導入を検討する場合、どこに相談すればよいですか?
A. 株式会社せんのみなとのお問い合わせフォームよりご連絡ください。大学のキャリアセンター、自治体、受け入れ企業それぞれの立場に応じた設計をご提案します。

