採用ブログ

「うちにはアピールできるものがない」からの脱却。地方企業が採用で勝てる「隠れた魅力」の見つけ方【ワークシート付】

突然ですが、求職者に伝わる求人票は書けていますか?

採用は戦略が大事だということは分かった。ターゲットを絞るべきだということも理解した。よし、さっそく求人票を書き直してみよう!
そう意気込んでデスクに向かったものの、いざ「自社の魅力」を書こうとした瞬間に、筆がピタリと止まってしまう。 そんなお悩みをお持ちの方は少なくありません。

「給与や休日数で、大手に勝てるわけがない」
「そもそも、この町は人口流出が止まらない過疎地域だ」
「若い人はみんな、大企業の支店が集まる隣の市に働きに出てしまう。わざわざ不便な町に来る人なんていない…」

真面目な経営者様ほど、近隣の都市部や大手企業と自社を比較してしまいがちです。そして結局、「うちには、わざわざアピールできるような魅力なんてない」と一般的でよくある求人票をつくってしまいがちです。

しかし、断言します。魅力がない会社など存在しません。 もし「ない」と感じるとすれば、それは魅力が存在しないのではなく、あまりに近すぎて「見えていない」だけです。

本記事では、社内の人間にとっては「当たり前」すぎて見落としてしまっている、地方企業ならではの「隠れた魅力(原石)」を掘り起こす視点について解説します。

記事の後半では、質問に答えるだけで自社の魅力が浮き彫りになる「言語化ワークシート」もご用意しました。ぜひ、最後までお読みいただき、御社の採用活動にお役立てください。

なぜ、自社の魅力は「中の人」には見えないのか

「魚は、自分が水の中にいることに気づかない」という言葉があります。 毎日その環境で過ごしている経営者や社員にとって、自社の文化や風土は、空気のように「当たり前の日常」になっています。だからこそ、外部の人から見れば「素晴らしい!」と感じるポイントでも、「え?こんなことが魅力になるの?」とスルーしてしまうのです。

また、多くの地方企業が「魅力がない」と嘆く最大の原因は、戦う土俵を間違えていることにあります。給与、休日数、福利厚生のメニュー数、そして「立地の利便性」。 これら数字やデータで比較しやすい「条件(ハード)」の土俵で、資本力のある大企業や、アクセスの良い近隣都市の企業と真っ向勝負をしようとしていないでしょうか?
「隣の市の方が便利だ」「大手の方が給料が高い」 この土俵で戦えば、リソースに限りのある地方の中小企業が「負け戦」になるのは当然です。

しかし、求職者が会社を選ぶ基準は「条件」だけではありません。 「どんな想いで働いているか」「誰と一緒に働くか」「その仕事で誰が喜んでくれるか」。 こうした、数字には表れにくい「情緒・風土(ソフト)」の領域こそが、地方企業が勝てる土俵です。

たとえ立地が不便でも、給与が大手より低くても、「この社長と働きたい」「この仲間となら頑張れる」と感じれば、人は集まります。「条件」で負けていても、「情緒」で圧勝していれば勝てるのです。

まずは「条件以外の場所にこそ、うちの魅力が眠っているはずだ」と、視点を切り替えることがスタートラインです。

魅力を探す「4つの引き出し」を知る

では、具体的にどこを探せばよいのでしょうか。闇雲に考え込んでも答えは出ません。 魅力を探すための地図として、以下の「4つの引き出し」を用意しました。

<引き出し1>

人・社風(Who / Culture) 「何をやるか」よりも「誰とやるか」を重視する求職者は増えています。
・社員同士はどんな距離感ですか?(例:家族のようにアットホーム、あだ名で呼び合う、逆にドライで個を尊重する)
・社長はどんな人柄ですか?(例:情熱的、社員の相談によく乗る、失敗を責めない)
・オフィスからはどんな笑い声が聞こえてきますか?

<引き出し2>

仕事・貢献(What / Contribution) 仕事の「大きさ」ではなく、「手触り感」に注目します。
・お客様から直接「ありがとう」と言われる瞬間はありますか?
・その仕事は、地域社会のどんな困りごとを解決していますか?
・大企業のような分業制ではなく、最初から最後まで担当できる「裁量」がありませんか?

<引き出し3>

理念・背景(Why / Story) 創業の経緯や、苦難を乗り越えたストーリーは、唯一無二のコンテンツです。
・なぜ、この会社を立ち上げたのですか?
・過去の危機を、チームでどう乗り越えましたか?
・10年後、この会社はどうなっていたいですか?

<引き出し4>

弱みという名の強み(Reverse) これが地方企業にとって最も強力な武器になります。「整っていない」「不便である」ことは、見方を変えれば魅力になります。
・「マニュアルがない」→「自分のやり方で工夫できる。ルールを作る側に回れる」
・「立地が不便・田舎である」→「満員電車とは無縁。地域に深く入り込み、顔の見える関係で仕事ができる」
・「知名度がない」→「会社のブランド看板に頼らず、自分の実力で勝負できる」

いかがでしょうか。
「条件」以外の引き出しを開ければ、御社にも必ず語るべきストーリーがあるはずです。

実践ワーク:隠れた魅力を掘り起こす「10の質問」

「引き出しの場所はわかった。でも、いざ白紙を前にすると、やっぱり何を書けばいいか迷ってしまう」

そんな方のために、記憶のスイッチを押して、具体的なエピソードを引き出すための「きっかけ質問」をいくつかご紹介します。単に「うちの強みは?」と考えるのではなく、過去の具体的な出来事を思い出してみてください。

【質問例】

Q. これまでお客様から言われて、一番嬉しかった言葉は何ですか?
┗事業で提供している本当の価値が隠れています

Q. 社員がマニュアルや指示以外で、自発的に動いてくれた「小さな出来事」はありますか?
┗社風や採用すべき人物像のヒントが見つかります

Q. 社長ご自身が仕事をしていて「報われた」「この仕事をしていてよかった」と感じた瞬間は?
┗原点となる熱量が、求職者の心を動かす最大の武器になります

いかがでしょうか。「そういえば、あの時あんなことがあったな」と思い当たる節があれば、それが魅力の原石です。

今回は、こうした視点を網羅した「隠れた魅力発掘・言語化ワークシート(全10問)」をご用意しました。以下のリンクからダウンロードしていただき、ぜひ明日の社内会議や、幹部との雑談の中で使ってみてください。「うちにもこんな良いところがあったんだ」と、きっと会話が弾むはずです。

【無料ダウンロード】

「うちには何もない」が「うちも悪くない」に変わる。 隠れた魅力発掘・言語化ワークシート
[https://x.gd/2tYRdP] ※Googleフォームが開きます(スマホ閲覧可)
👆ダウンロードはこちらのURLをクリックしてください。

仕上げ:箇条書きを「ラブレター」に変換する

ワークシートを使って魅力の「原石」が見つかったら、最後にもうひと手間が必要です。 書き出した要素をそのまま求人票に載せるのではなく、求職者に届く言葉に変換します。

多くの企業がやってしまう失敗は、事実をそのまま書いてしまうことです。
・「創業100年の歴史があります」
・「アットホームな職場です」
・「未経験でも丁寧に教えます」

これらは間違いではありませんが、求職者からすると「で、私にどんないいことがあるの?」と思ってしまいます。これは「自慢」であって「魅力」として伝わっていません。
重要なのは、「その事実があることで、求職者にどんなメリット(ベネフィット)があるか」まで翻訳してあげることです。ターゲットとする「たった一人」へのラブレターを書くつもりで変換しましょう。

【変換のヒント:事実 ⇒ 求職者のメリット】

・事実:「創業100年の歴史があります」
変換:「地域のお客様との信頼関係が既にあります。飛び込み営業で門前払いされるような辛さはなく、お客様から頼られる仕事ができます」

・事実:「マニュアルが整っていません」
変換:「決まったレールの上を走るのではなく、自分で考えて工夫できる面白さがあります。『言われた通りにやるだけ』の仕事に飽きている人には最適な環境です」

・事実:「隣の市のような都会ではありません」
変換:「満員電車や渋滞とは無縁です。車で好きな音楽を聴きながら通勤し、仕事が終わればすぐに家族との時間を過ごせます」

このように、「弱み」に見えることでも、視点を変えれば「特定の人」にとっては最高の環境になります。

まとめ:魅力的な求人票に欠かせないのは、客観的な視点

最後までお読みいただき、ありがとうございます。 「うちには何もない」という思い込みを捨て、視点を変えれば、必ずそこには磨けば光る「原石」が眠っています。まずは、今回ご紹介したワークシートを使って、社内のメンバーとワイワイ話しながら、自社の「良いところ探し」をしてみてください。意外な発見があるはずです。

ただそうは言っても、 「自分たちだけだと、どうしても『手前味噌』になっていないか不安だ」 「書き出してみたけれど、これをどう魅力的な文章にまとめればいいか分からない」 「そもそも、忙しくてゆっくり考える時間が取れない」といった壁にぶつかることもあるかと思います。
実際に多い事例として、発見した魅力が普遍的で他社と差別化ができていなかったり、実際に採用したい人物にその魅力が伝わる言葉にならずに応募に至らないケースが散見されます。

「自分の背中」が自分では見えないように、自社の魅力も、第三者であるプロの視点が入ることで、初めてクリアに見えてくることが多々あります。
もし、「ワークシートでペンが止まってしまった」「客観的な意見が欲しい」と思われたら、ぜひ私たち株式会社せんのみなとにお声がけください。

私たちは、地方企業の採用現場を熟知した専門家です。求職者の心を掴む魅力を言語化し、採用成功までの道のりを伴走いたします。

お気軽なご相談からで構いません。皆様からのご連絡をお待ちしております。

採用戦略づくりに関しても解説しております。併せてご覧くださいませ。