人材紹介会社から紹介が来ない理由と対策。地域No.1の紹介数を実現した「6つの情報」
最近、地方企業の採用担当者から「人材紹介会社からの紹介数を増やしたい」というご相談が増えています。人材紹介会社の担当者との会話で気を付けているポイントを聞くと、ほとんどの場合がこのような回答になります。
「もっと紹介してください!と熱意を伝えています」
「紹介数が増えるためにできることがあれば、なんでもします!」
「紹介手数料は上げられないのですが、それ以外できることがあればがんばります!」
しかし、厳しい現実をお伝えしなければなりません。
例え紹介手数料を上げても、「ある働きかけ」をしない限り、暖簾に腕押し状態は変わりません。
「ある働きかけ」とは、
人材紹介会社の担当者に「戦える武器(情報)」を具体的かつ丁寧に届けることです。
今回は、この「武器」を持たずに戦ったA社の失敗事例と、武器を完備して挑んだB社の成功事例を比較しながら、今日からエージェントとの会話をどう変えるべきか、その具体的な方法を解説します。
【具体事例】”丸投げした”A社 vs “武器を渡した”B社
ここに、地方にある2つの企業、A社とB社があります。業種や規模感は似ていますが、エージェントへの対応には決定的な違いがありました。
A社のケース(失敗事例):精神論での丸投げ依頼
A社は「とにかく母集団が欲しい」と、契約するエージェントの数を増やせるだけ増やしました。
しかし、担当者との商談で伝えるのは「いい人がいたら紹介してほしい」「うちはアットホームで働きやすい」といった抽象的な要望ばかり。
結果、最初こそ数件の紹介がありましたが、次第に連絡は途絶え、紹介数はゼロに。エージェントにとってA社は「紹介する決め手(武器)がない案件」になってしまったのです。
B社のケース(成功事例):情報という「武器」の提供
一方、B社では私が陣頭指揮を執り、エージェント窓口を一元化。
「紹介してください」と頼む代わりに、後述する「6つの情報」を資料にまとめ、徹底的にプレゼンしました。エージェントとの商談において、いついかなる時も「紹介してください。」の一言は発しません。人材紹介会社は紹介することが役割ですので、紹介したくない訳なんてないからです。
その結果、何が起きたか。
地域内での求人閲覧数、応募数、そして面接数が、なんと3倍以上に跳ね上がりました。
エージェント担当者が「この会社なら、自信を持って求職者に提案できる(勝てる)」と感じたことで、B社の求人を優先的に案内してくれるようになったのです。
エージェントが欲しい”未来と現在地”の情報
では、B社は具体的に何を渡したのか。
多くの企業が渡すのは「募集要項(条件)」だけですが、人が動くには「ストーリー」が必要です。まずは会社の「大きな方向性」を共有しました。
① 経営陣のVISION(未来)
「今期の売上目標」といった数字だけでなく、「この会社は将来どんな姿になりたいのか」「地域でどんな存在になりたいのか」という熱のこもったビジョン。
② 所属業界の現状と、業界内での自社の立ち位置
(現在)業界全体がどう動いていて、その中で自社はどこにポジションを取っているのか(チャレンジャーなのか、老舗の変革期なのか)。これがあることで、エージェントは「ただの地場企業」ではなく「明確な意志を持って成長しようとしている企業」として、候補者に語れるようになります。
信頼を勝ち取るための”正直な情報-課題と実情-“
次に重要なのがリアリティです。「良いこと」しか言わない企業は信用されません。B社では、あえて「弱み」や「困っていること」もさらけ出しました。むしろ、弱みやお困りごとがない企業なんて日本中…いや、世界中どこを探しても見つからないと断言できます。そのため、良いことも悪いことも、強みも弱みもまるっとエージェントにお伝えしてしまうのが得策です。
③ 現場の温度感と、VISIONに対する課題
「ビジョンはあるが、現場には○○のスキルが足りておらず、実現できていない」というギャップ。これが「だから、あなたが必要なんです」という強力な口説き文句になります。
④ 採用チームの現状とリソース不足
「実は採用チームも手が足りておらず、あなたの助けが必要だ」と正直に伝えること。エージェントも人です。上から目線で発注されるより、「パートナーとして助けてほしい」と頼られることで、「よし、自分がなんとかしてやろう」という当事者意識(男気)に火がつきます。
条件の不利を覆す「隠れた武器」の共有
最後は、地方企業が最も苦戦する「条件面」をカバーするための情報です。ここは総力戦です。
⑤ 内部の人間しか知らない
“強み・魅力”の擦り合わせ社内では当たり前すぎて気づかない魅力があります。これをエージェントと壁打ちしながら発掘し、「候補者視点ではこれが刺さる!」というポイントを見つけて言語化しました。
⑥ 「暮らしの具体イメージ」と「条件」のフル開示
忘れてはならないのが、「エージェント担当者は、その地域で暮らしている人ではない」という事実です。彼らはその土地のリアルな暮らしぶりを知りません。しかし、求職者が内定を承諾する決め手が「この土地で暮らすことが具体的に想像できた」という理由であることも少なくありません。
だからこそ、以下のような情報を現地のプロとして提供しました。
●家賃相場や通勤事情(車社会のリアルなど)
●生活圏内のスーパーや病院、休日のお出かけスポット
●子育て環境会社独自の「家賃補助」「引越し手当」「試用期間短縮」などの支援策
「ここで働いたら、どんな生活になるのか?」という問いに答えられる資料を渡しておく(あるいは一次面接で語れるようにしておく)こと。これが、エージェントにとっても求職者にとっても、入社を決断するための最後の一押しになります。
まとめ:情報は「隠す」ものではなく「武器として渡す」もの
B社が3倍の成果を出せた理由は、特別な裏技を使ったわけでもなく、求人媒体のグレードアップによるものではありませんでした。
エージェントという「代わりに戦ってくれる営業マン」に対し、「武器(情報)」を持たせずに戦場へ送り出す無謀な戦略をやめ、「最強の武器」を丁寧に手渡した。ただそれだけです。
紹介数や質にお困りでしたら、エージェントとの商談は「お願いする場」ではなく「作戦会議の場」に変えていきましょう。
「今の情報量で候補者を口説けますか? 足りない武器はありませんか?」という問いかけから始めてみませんか。
もし、「自社の魅力(武器)が客観的に見つからない」「エージェントに渡すための資料作りが難しい」と感じられたら、ぜひ私たち株式会社せんのみなとにお声がけください。
エージェントの力を借りながら採用活動を進めることは転職市場が激化する現代においては、必要なことではありますが、自社の採用力を磨くことが何よりも重要です。エージェント活用の前に、まずは採用チームの強化を目指すことが先決です。
第三者の視点で御社の「隠れた武器」を掘り起こし、採用成功へのストーリーを設計いたします。

